統合企業戦略論(本サイト)の特徴と意義
従来の戦略論の多くは個別の事業に関するもの、いわゆる事業戦略論がほとんどでしたが、統合企業戦略は企業の全事業および全機能を一元的に扱う企業戦略論です。
戦略経営の必要性、重要性は早くから認識されていますがその全体の理論に関しては未完成で「戦略」の定義さえ未だ定まっていないのが実情です。
また戦略経営の重要な要素である技術戦略や研究開発戦略などでも前提となる技術の何たるか(技術の定義)が明らかにされていなかったこともあり戦略経営にどのようにかかわるか、どのように組み込むのかは謎のまま現在に至っています。
事業戦略(特に競争戦略)などはポーターなどの努力により理論化され手法に関してもそれぞれ有効な進化をとげ経営に大きく寄与しています。しかし戦略経営を実践するためにはそれらだけでは十分とは言えません。
なぜなら個別の最適解を集めても全体の最適解にはならないからです。つまり個々の事業戦略や機能別の戦略がそれぞれ立案され,実施されても大きな効果を得られないということです。
企業戦略が先行していないため個々の事業がそれぞれの戦略を主張し、経営者はその中から良さそうな案により多くの資源を割くことで結果的に企業全体の戦略を形成するという手法を取らざるを得ないのが実態といっても良いかと思われます。
現在の多くの日本企業で採用されているこのような戦略立案方法は企業を思わぬ方向に導くだけでなく資源効率から見て大いなる不効率を生みます。
すべての事業戦略、機能戦略のベクトルが一致して初めて戦略経営の効果が最大限に発揮されるものであるし、戦略経営の概念から言ってもそうあらねばなりません。それが真の戦略経営というものです。
全戦略のベクトルを合せ最大効果を得る理想の戦略経営をするためには、まず、現在未開となっている戦略システムの全体像もしくは構造を明らかにする必要がありますが、本サイトではそれらの基礎(前提)となる考えや概念を含めて企業戦略の理論から実践方法までのすべてを記載しています。
例えば、戦略の統合にとって最大の問題となるのは技術、研究開発戦略をどのように扱うかですが、これを誰もが納得する形で解決するためには、まず企業にとって技術がどのような位置づけにあるかを明らかにすることから始めなくてはなりません。また研究開発の機能をどうとらえるかも大きな課題となります。
このサイトではこれらのすべてに解を与え、それらに立脚した実践的な戦略システムとして結実させています。それだけでなく戦略立案に効果的な分析方法や実践方法なども具体的に記載してあります。これらの分析や手法は単独で利用しても有用ですのでその部分にもアクセスしてください。。
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