
本書は研究開発と経営の統合、整合を計る為の研究開発システムを論じたものである。本来企業の研究開発は経営戦略
と一致しているべきであるが、多くの企業で両者の遊離が生じている。この両者に十分な整合性があれば、総合的な戦
略力や研究開発成果をベースとする競争力は同業他社を圧倒することができる。
本書で論じられているシステムは弊社のコンサルティングを受けたいくつかの企業が既に導入しており、着々と成果を
上げつつある。ただし、従来の研究開発システムを一部継承したり、旧風土を堅持したままこれを導入することは難し
いことも事実であって、導入には思い切ったシステムの改変を要する。
内容は企業における研究開発の役割と戦略の本質をベースとした経営と研究開発整合のシステムを体系的に説明したも
ので、専門性が高く、改革と競争力強化を望む経営者やスタッフには最適である。
「最強の戦略的研究開発システム」
A5判 264ページ ハードカバー上製本 定価2600円 1996年7月初版発行 赤塔政基著(弊社プリンシ
パル)
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第1章 新しい技術戦略システムの提案と意味
1戦略としての技術と研究開発
(1)統合技術戦略の概要
(2)戦略の統合
2技術戦略を制する企業が21世紀を制する
(1)企業にとっての技術
(2)将来社会における技術の地位
(3)日本企業と欧米企業の差を生んだ技術戦略
(4)国際化に不可欠な技術優位
(5)希少資源の活用競争
第2章 企業戦略としての技術の種類と範囲
1技術と要素技術
2製品から見た分類(生産技術、製品技術、使用技術)
(1)生産技術
(2)製品技術
(3)用途技術
(4)製品から見た分類の戦略的意味
3企業活動の重みから見た分類(KEY技術)
(1)製品、技術マトリックス
(2)基幹技術と呼ばれるKEY技術
(3)基盤技術と呼ばれるKEY技術
4科学と技術
5先端技術と先進技術
6ソフト技術とハード技術
第3章 研究開発に関する非難及び問題点とその根源
1聖域化した研究開発と歴史的背景
2研究開発に関する企業戦略の不在
3成果の出ない研究開発
4際限のない研究開発投資
5研究開発部門の閉鎖的風土
第4章 技術戦略の定義と特性
1戦略の定義と模式
(1)戦略の構造と技術戦略
(2)戦略の展開と技術戦略の全体像
(3)技術戦略と研究開発戦略の定義
2技術戦略立案の難しさの根源
(1)研究開発の戦略立案に於ける2面性
(2)研究開発の多機能性と組織の対応
(3)専門性と研究開発者への依存
(4)固定的、継続的な特性
(5)戦略としての発散性
(6)不確定性
3技術戦略立案の要素
(1)成功確率と事業リスク
(2)成果
(3)技術の魅力
@技術自身のポテンシャル
Aテーマの戦略的ポテンシャル
(4)2通り有る自社の強さ
(5)企業戦略、事業戦略との一致
第5章 従来の技術戦略立案法とその欠点
1テーマ選定システムで見た歴史的変遷
(1)放任、放置の論理
(2)経済論的評価法
(3)ポートフォリオ法
@テーマポートフォリオ法
A要素技術ポートフォリオ法
B改良ポートフォリオ法
Cポートフォリオ法の欠点
第6章 統合技術戦略の基本となる考え方
1企業戦略としての技術戦略
(1)企業戦略として作成されるべき技術戦略
(2)組織から見た技術戦略と企業戦略
(3)テーマ発案に先行する技術戦略
2戦略機能区分の導入
(1)従来の区分
@研究と開発の区分
A出口との距離で分けた区分
B未知の部分の比率による区分
C時間的区分およびその他の区分
(2)戦略機能区分
(3)戦略機能区分の括り方
(4)戦略機能区分と事業によって構成される技術戦略グリッド
3資源配分による全体の統合
4組織の柔軟性(フリーエントリー制)
5研究開発者の発想の自由の保証
6大きな戦略のサイクル
7技術と経営の共通の場の形成
第7章 統合技術戦略の実際手順
1企業戦略、事業戦略との関連
(1)技術戦略と他の機能戦略とのアプローチの違い
(2)既存の企業、事業戦略との関連
(3)手順と手順における戦略判断
2技術戦略課題の抽出
3技術戦略課題の優先順位付け
(1)技術戦略課題の個別重要性
(2)個別のセルの重み
(3)順位づけと足切り
4ブレークスルーすべき技術課題と技術領域
5技術戦略の全体構成
第8章 研究開発テーマの発案と設定
1研究開発テーマと技術戦略の関係
2テーマ設定手順
3テーマの実行戦略としての要件
4テーマの評価
(1)評価マトリックス
(2)全体整合の把握とヒアリング
(3)資源調整とテーマ設定
5継続テーマの取り扱い
6技術企画スタッフの必要性
第9章 実施と資源操作(12、244)
1実施と管理
(1)スケジュールと実行者
(2)ステージ管理
2成果評価と資源操作
@テーマ立案段階からの情報
A成果評価
B資源操作
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