企業価値算定方法
企業価値
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企業価値とは、その企業がどの程度の経済価値(金額換算値)があるかを表すもので、M&Aの際
の売買価格を決める場合等に試算されるものである。
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上場している株式会社の場合は株式相場がこの基準となるから、その値に発行株数を乗じた値、
即ち時価総額が基準的な企業価値となる。従って、上場企業のM&Aでは市場が決める株価(相
場)を基準とし、それに諸情勢を加味した値で、買い付けが行われたり、株主間の交渉で決めら
れることが普通である。
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しかし、上場していない企業の場合は相場という基準がないため、これを改めて算出する必要が
ある。
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非上場企業価値算定法
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下図に示すように非上場の企業価値の算定方式には大きく分けて4つあるが、その内の一つは似
通った上場企業(類似上場企業)の株式相場を参考にするもので、比準法と呼ばれるものであ
る。しかし、対照となる類似企業がほとんど存在しないため、実際上は余り用いられない。ま
た、配当還元方式と呼ばれる企業価値算定法は文字通りその利益配分の目的から見た企業価値算
定方法であって、純粋な企業価値算定とは若干視点が異なる。
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従って、汎用的な企業価値算定方式は以下の2つと言っても良い。
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当該企業の資産総額をベースとして企業価値を算出する方法であり、わかり易いものの、現
在の実質的収益性をも含めた将来性などが考慮されておらず、その点で大きな欠点を持つ。
(資産方式、配当還元方式と比準方式は税務上認められている算出方式である)
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将来の収益を予測し、その企業の将来へのポテンシャルを想定するものであり、その点で妥
当であるが、将来収益の予測値が見方によって大きく変わることから客観性に欠けると言わ
れている。この収益方式の代表的な企業価値算定法がDCF法である。
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非上場企業の株価は企業価値を発行株数で除した値に他ならないから、企業価値算定は株価
算定であると考えて良い。勿論、これによって算出された株価は基準値の一つに過ぎないた
め、譲渡等ではこれを中心に諸情勢を加味して、当事者間の合意によって決められるべきも
のであることは言うまでもない。(譲渡価格(株価)は基本的には当事者間の合意により決
められることが原則であるが、適正な値を大きく逸脱する場合は課税措置がある※1)
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譲渡目的によって変わる株価、譲渡価格
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企業価値そのものには変化がないが、譲渡(取得)目的によって適正な株価(譲渡価格)は変わ
ることにも留意しなくてはならない。
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・配当を主とする投資益(利益分配)を目的とする場合
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一般に後者の方が安く設定される。また、配当還元方式は後者の算出に供されるものである。
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株式は上場企業の場合は勿論、非上場の企業の株式も有価証券であり、譲渡(取り引き)に関しては一般的な税法の適
用対象である。それだけでなく、企業価値から大きく逸脱する譲渡、取り引きに関してはこの利益等に関して課税がな
されるため、基準となる企業価値などの算定、把握をしっかり行っておくのが良い。(この課税に関しては近日、別途
記載予定)
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DCF法フロー
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DCF法での企業価値はこのフローに従って機械的に計算すれば簡単に算出できる。
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ただし、将来の収益(利益)をどのように想定するかで大きく異なり、その正確性は予測収益
(利益)の正確さに依存していることに留意しなくてはならない。
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DCF方式の企業価値算出フロー

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上記フローの右上の□から番号順に計算すればその左隣の項が算出できるからこれを繰り返して
最終的に左下の値を算出すれば良い。
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用語の説明
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・WACC:加重平均資本コスト(Weighted Average Cost of Capital)
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・負債資本コストとは借入に必要なコストとの意味で、簡易に言えば借り入れ利息と考えても良
い
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・株主資本コストとは出資して貰うために必要なコストの意味で配当が代表的であるが、その他
の期待利益が含まれるため国債利率などにリスクフレートを加算して算出する。従って一般的に
は負債資本コストよりも大きいことが多い。
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・リスクフりーレートは文字通りリスクのない利益率ということで、多くの場合、国債利率を使
用することが多い。
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・リスクプレミアムはリスクフリーレートを上回る利益率で、過去の実績などから設定すること
が多い。ただし、実績であっても対象範囲をどのようにするかで大きく異なる。例えば投資全般
でみる場合と当該投資先の業種に絞って見た場合は値はかなり異なる。株式投資の場合は過去2
0年ぐらいの東証の株式総合利回りを使用することが一般的と言われる。
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・β値は株式市場全体の相場の動きに対して、その企業の株価がどのように動くかを表す係数。
その会社の株価が株式市場全体とまったく同じ動きをすればβは1となり、それより変動が大き
ければ1以上、小さければ1以下となる。
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