1.全体戦略(いわゆる企業戦略※)は創造的発想の産物
※企業戦略のイメージは様々であるが統合企業戦略では「戦略模式」に表した全体戦略に該当するものである
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戦略は方策をともなう構想であるが、その構想も方策も発想をもとにつくられる創造的な思考の産物であ
る。
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戦略経営の目的が事業環境への適合であることを考えれば、事業環境の情報、理解、認識と自社の現状も分
かっている方が良いが、これらの収集は必須の工程ではないし形になっている必要もない。
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戦略立案作業においては「情報とその加工」と「発想による戦略立案」は別物、別作業として理解すべきで
ある。
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企業戦略の立案に決まったプロシージャー(手順、工程)などは存在しない
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企業戦略立案のための手順を示した著作などを見かけるが、その手順を踏んでも戦略が自動的に導き出され
ることは決してない。
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ただし、下位の戦略と言われる事業戦略、製品戦略、マーケティングなどでは、戦略自由度が低く、目的も
概ね決まっており、その手段も限られているため、企業戦略立案と異なり、戦略立案プロシージャーも容易
に示すことができるし、そのプロシージャーを実行することで一義的に戦略が構築されることさえある。こ
のことと全体戦略(事業戦略)立案を同一視してはならない。
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戦略経営は環境に対応することが基本であるから、その情報はなにがしか存在すべきである。多くの場合そ
の情報を分析し判断、認識を形成しそれに対応する戦略が作られることも事実である。また、それらから導
き出される課題や問題点という形を経由するとより整理が進むためこれらも有用であることは確かであるか
ら、情報を課題などに整理することを推奨し、それを手順と考える者もいる。しかし、上述のように手順は
ないし、そのように加工することが視野を狭める危険も伴う。また、戦略は個人の判断、発想に基づくもの
であるため、個人の経験、知識、性格、信条などが直接間接在の影響を及ぼす。むしろ後者の影響の方が大
きな役割を果たすことが多く、しばしばそれらの加工が意味をなさなくなることもあることなどにも留意し
ておくべきである。
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戦略立案にどの程度寄与するか否かは別として事業環境やそれに対応する自社の状況に関する情報は有形無
形を問わずなにがしかあるべきとしたがその内容を大別すれば「事業環境の情報」と「自社の情報」とな
る。内訳詳細は後述するが以下に大きな区分だけ示しておく。
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事業環境の情報に関しては先人達が「社会」「技術」「市場」「競合」「製品」の5つの観点で行えば
遺漏無くまたは過不足無く行えることを見いだしてくれている。(マーケティングの分野を中心に事業
環境調査の観点をPESTと称し、「政治(P)」「経済(E)」「社会(S)」「技術(T)」を挙げる
こともあるが、括り方が多少違っているだけで対象が大きく変わるわけではないためどちらの表現を使
っても問題はない)
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自社の情報も同様に「自社ポテンシャル」「自社パフォーマンス」「自社ポジション」と区分して把握
するのが良いとされる。(マーケティングの3Pと区別するためこれを"自社把握のための3P"と呼ぶこ
ともある。また、これに「自社プロダクト」を付け加え4Pとすることもある)
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自社ポテンシャルは技術力、営業力など、自社パフォーマンスは業績など、自社ポジションは社会、市
場、業界等におけるポジションなどを主要な項目とする。
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研究開発テーマが実行戦略であることが多く戦略立案の材料としてこの現状やポテンシャルの把握は欠
かせないが、その専門性の高さや戦略に対する理解不足により、これらが十分でない場合が多い。
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事業機会の情報は戦略として常に必要なわけではないが、新規事業が必要とされる状況下ではきわめて
重要で、企業戦略立案に不可欠な材料となる。
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情報には生の情報(Fact、RawData)と判断等の付け加わった情報(認識・判断情報)と、情報の集
約や分析で得られる情報(分析情報)の3種がある。
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2.戦略の立案、決定者
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戦略は個人の知識や判断が色濃く反映されるものであるが故に最終的には誰かが全責任を以て決定しなくてはなら
ない。その意味でも企業戦略を決めるのはCEOでなくてはならない。当然のことながら、最終的な立案責任、結
果責任もCEOが一人で負うものである。
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勿論、一人で作業の全部を行うのではなく、材料である企業、事業の環境情報、自社に関する情報収集などに関し
ては戦略(企画)スタッフなどが、構想や方策など発想に関連するアイデア等に関しては企業戦略に関係の深いメ
ンバーが様々な考えを具申する形でサポート(支援)しなくてはならない。
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企業戦略立案に関係の深いメンバーとは事業部長、研究開発部門長などである。これらは必ず自らの情報、意見、
要望を開陳し、場合によっては要請に応じ戦略案(オプション)を提示しなくてはならない。ただし、最終的な戦
略の決定には責任を持たないし、決定に異論も差し挟んではならない。
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このような役割から見て、CEOも戦略スタッフも戦略立案(支援)メンバーも戦略や戦略経営に関して十分な知
見があることが望ましいから、それらのポジションにつくときに改めて戦略理論に関する知識を習得、確認すべき
である。
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一般的に言えば、これらのメンバーには事業、業務の知見は十分でも理論の未完成のせいもあり戦略理論(そのも
の)もしくは戦略経営に関する知識がかけていることが多い。
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